自己顕示欲の開放治療所

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別名:Laughing and Grief 雑記

Latin and Greekは習ったこともない

真面目な記事の他、特定の方には不快と思われる事柄に関して言及を行うことがあります。ちょっと頑張りますが、Blog内で解決できなかった場合要望があれば別ページに技術記事は書き直します

BOOX Tab Ultra Cのレビュー

色々あって暫く使えなかったBOOX Tab Ultra Cが復活(復活ではない)したので、そろそろレビュー基感想記事を書きます。製品リンクはアフィリエイトですのでご了承ください。

感想であって主観的な内容であり、数値的裏付けはないのであしからず。

購入動機

先ず、私はBOOX Nova 3 Color (Nova Air Cより前のやつ)を使用していました。概ね満足していたものの、次の不満点があった。

  • フロントライトが寒色のみ(後のシリーズでは暖色にできる)
  • ストレージが32GB
    • 外部ストレージ(microSDスロット)が無い

読書用タブレットにおいてストレージは結構重要である。「常にインターネット上にコンテンツがあるから手元のストレージには今見る分だけダウンロードできればいい」というのは、自由に使えるWiFi圏内で生活、あるいは3台目4台目の端末に回線契約を行えるような強者、または出先で読むかもしれない書籍を自分で把握できる超人の特権であるからして。あと所持・購入電子書籍の総数が2桁の人間。

早い話が、持ち運びたい電子書籍数がストレージを超過しそうになっていた。一時期はUSB-C接続で常にmicroSDリーダを差しておくことも検討したが、接続部分の物理破損可能性と、接続中のバッテリー消費が激しいことから断念した。

ちなみに、カラーの色味自体は足りないものの、写真系をこの端末で見ることはほぼ無かったので不満は無く、部屋の明かりが暖色でないときは気が滅入る程度。 曇りの日の景色の見え方と似ていてちょっと落ち込むのだ。

購入

で、BOOX Tab Ultra Cが登場したので購入を決定した。ポイントは次の3点。

micdoSDスロット搭載はBOOX Tab Ultra Cより前の段階で出始めていたので、「そろそろカラー端末でも」と思っていたら、Ultraで出た。サイズが明らかに大きく価格がUltraになるので躊躇したが結局購入。

購入はSKTNETSHOPからにした。BOOXのショップと価格・輸送費を比べてそんなに差が無かったのが理由だったと思う。

BOOX Tab Ultra C 10.3インチカラー電子ペーパーディスプレイsktnetshop.com

キーボード付きにした。折角なので。

ファーストインプレッション

購入から到着まではそんなに待たなかったはず。で、到着。

前が7.8インチの端末だったので10.3インチあるとやはりデカいと感じる。多少厚みがあり、持ってみると持てなくはないが寝っころがるとちょっと辛いな、くらい。

カバーとはマグネットで「ピタッ」とくっつくのが面白い。嵌め込むタイプに比べスタイリッシュだが、側面の防護が薄くなるのがちょっと気になるといえば気になった。

セットアップ

Googleアカウントは「Onyxアカウント」の項目の「その他のアカウント」から追加できる。BOOXはこの辺のUI、地味に段々に改良されていて偉い。

システム言語を日本語に設定したとき、CJKフォントは初期ではNoto Sans CJK SCになっている。CJK共通漢字でSCが優先されるやつなので、JPに設定し直しておく。

予め買っておいたmicroSDをイン。現在のThinkPadなんかもそうだが、外部ストレージとしての用途のためか、抜き差ししづらいスロット(小さな穴に細い何かを差して押し込むとスロットの枠が飛び出す)。付属でこれを差す用の器具が付属しているのは嬉しいポイント。SanDiskの安めの512GBにした。1TBでも動きそうだったが価格と相性の冒険を避けた。

ウェブブラウジング

さて、起動してみての感想は表示の応答がかなり良いこと、それでも「カラー電子ペーパーとしては」という但し書きは付くし、iPadを使っている人に「明日からコレね」と渡せば不満は必至であるが。 しかし描画モードにもよるものの、ウェブブラウジングとよくある邪悪広告程度の切り換え速度程度であれば割とストレスなく表示ができる。これは後日何人かから「これくらいの速度であれば日常的に使えるかも」と同意を得た。Tab UltraやTab Ultra Cの場合メモリが4GBあるというのもあるだろうが。

コミック・小説・技術書

BOOXはKindle(物理)と違って、汎用的なAndroid端末に近く、Google Playストアや野良APKが使える。Kindle(物理)と違って。 まあ、Kindle OASISの防滴は風呂で使えるのと壊れても価格的に諦めが(Tab Ultra Cと比較すれば)つくというKindle勝利ポイントもある。でも物理KindleのUIが使い易く改善されないので-10000000点。

PDF・EPUBについてはインストール済みのNeo Readerがよくできているのでストレスはあまり溜まらない。嘘です。慣れただけで「どう操作すれば目的の表示が得られるか」を理解するのはちょっと分かりづらい。 ページの見開き表示について「1≡」「≡1」みたいなアイコンで察するのは厳しいね。慣れさえすれば、「PDFにマーカーを引いて後で見返す」なども熟せるし、付属のペンの動作もサポートしているのでよく使うアプリになる。

汎用Android端末の特権といえば、複数の電子書籍ストアアプリの混在。ということでBOOK Walker、hontoそしてKindleをインストール。それぞれデータの保存先を外部ストレージにしておく。 ちなみに、アプリUIの文字が白いためか、良かれと思ってシステムで背景色を省略すると見えなくなり、エスパーでメニュー操作することになったりするので、この辺の設定はいじらない方が良いかもしれない。 Book WalkerとhontoはNova 3 Colorではちょっとモッサリしていたが、Tab Ultra Cではちょっと応答が良い気がする。ページ捲りアニメーションを切ることも忘れずに。

10.3インチ端末では、ほとんどの漫画が見開き表示で良い感じのサイズになる。Nova 3 Colorではマンガはページごとに表示していたのだが、ウェブトゥーンでもないマンガは4コママンガであっても見開きの方がやはり良い気がする。ウェブトゥーンでは電子ペーパーは応答性の問題があるだろうが。ここまで面白いウェブトゥーンエアプで書いています。

ちなみに7.8インチでは、EPUBで物理A5版小説くらいなら、見開きで大体物理と同じ感覚で読めるくらい。10.3インチになると物理A5版は少々縦に余裕がありすぎる。

技術書の読みやすさについては、日本語書籍は見開きで結構読みやすい。英語書籍は単ページでないとちょっと見づらく感じたけれど行間とかの慣れの差かな。

カラー解像度

カラーの解像度について、Nova 3 Colorのときは100くらいだったと思うが、Tab Ultra Cでは150。「写真はやっぱりきついが、イラストは許容くらいになった」が周囲と一致した感想。まあちょっと寒々しく感じる色合いになってしまうこと自体は変わらない。Kaleidoの方針が応答性重視なので、これは合わないなら最初から別系統を買うべきだし、別系統も今現在非電子ペーパーに迫るほどではないので、初めてで試してみるならKaleidoの方がおすすめです。

スキャンの粗いコミック電子書籍を読むときは、設定で黒の濃さを思いきって50以上上げてしまった方がよい。この辺の設定をアプリごとに細かく設定できたりという配慮については、BOOXが長じているポイントであると思う。

バッテリ

以前より大きい分持ちは良い気がする。とはいえWiFiをオンにしているとそれなりに早いので、必要時以外は切っておく方がよいのは変わらない。

キーボードについて

キーボード付きカバーを同時購入した。このカバーについては、ペンをしっかり固定できる点は通常のカバーより優れている。

しかし結論としては「持ち歩くならコンパクトなBTキーボード」である。

先ず、普段の非キーボードカバーより取り回しが悪い。カバー固定がマグネットで切り換え自体はスムーズなのだが、若干重いのと、キーボード部分がフラットで折り畳めないので開け閉めがちょっと大きくなる。これはタブレット付属のキーボードあるあるであるが。

次に、接点が思ったより不安定。このキーボードは物理接続で、ベストポジション以外では接続を認識しなかった。個体差があるかもしれない。

そもそもBluetooth対応なので、より使いたいキーボードがあるならそちらを持ち歩いた方がよい。電車内でラップトップ状態で使うことがないからかもしれないが、接点の不安定さを考えると使用機会があってもあまり魅力的でないかも。

遠出のとき、私はFILCO MINILA-R Convertibleを持ち歩く。ノートPCで使うのがメインだが。

IME

Onyxキーボード、ASOPキーボードが初期に入っている。

が、 https://twitter.com/xiupos氏のAndroid SKK多言語対応版を導入。SKK以外の入力ではストレスを感じる体になってしまっているため。 Android 11で動作確認されており、大変助かりました。

github.com

「初回時に設定から辞書を解凍」について、「入力と言語」で「Android SKK」右の「>」の箇所をタップで設定画面に入れるのだが、最初タッチエリアに入っていなかったのか中々この画面に入れず、他のAndroid端末で試してみて存在を確認してからやり直した。

指紋センサ

認証させたGoogleアカウントがWorkspace Enterprise(個人だけど)ということもあり、PINは設定する。しかし「ちょっときららでも摂るか」というときに起動画面でポチポチ打つのは面倒だ。朗報。BOOX Tab Ultra Cには指紋センサがある。登録手順は難しいことは無いので省略。これは体験がかなり良い。

今回の画面破損について

上の情報が大体発売時で、3週間ほど前に電子ペーパー部分を破損した。普段入れないバッグに入れて持ち運んだところ、外圧で破損したらしい。表面は傷無し。画面全体に黒い線が数箇所、画面端に幅1cm長さ6cm程度の虹色が出現した。本三冊やノートPCと同じ場所に一緒に持ち運ぶのが悪いのは、そう。で、なんやかやBOOX Tab Ultra Cが復活したので今回投稿した。

雑感

やはりサイズが大きいと圧力を受け易い面がその分拡大するので、事故可能性は上がるよね。持ち歩くサイズとしては7.8インチくらいまでが私には丁度良いのだなあと感じた。

現在は8インチのBOOX Tab Mini Cが発売されている。サイズ的にはこれを新たに買うことも検討したのだが、microSD非対応なのだ……。BOOX Pageの方はmicroSD対応なのに。

まあ、思ったよりも繊細だったので丁重に扱う必要はあるのだが、積み電子書籍が溜まってきていたら是非検討してほしい。そしてもっと低価格microSDスロット搭載高機能カラー電子ペーパー端末が普及してほしい。