LwDITAのDITAVALの書き方
Creating Intelligent Content with Lightweight DITAをPODで購入したので読んでいる。 いや、電子書籍版を前に買ったのだが(Kindleでない)、実用に耐えないデスクトップアプリからしか読めなかったので あらためてAmazon PODから買った。
- 作者:Evia, Carlos
- 発売日: 2018/12/05
- メディア: ペーパーバック
ChairのCarlos氏が書いているので、内容の正確性は信用してよいだろう。 DITA-OTなどの実装側の挙動はまた別の話として。
記事タイトルの内容より雑感の方が多い。
LwDITAについては塩漬けしている同人誌でそれなりに詳しく書く予定なので、ここではざっくりと書く。 DITAについては「DITA 超入門」なんかを見て。 で、「XMLはナウでヤングな世代はあんまり扱わない」 「DITAは構造化文書初学者がこれから取り組むには仕組みも要素の数もヘヴィ」 「(GFM程度の)Markdown+−の表現力で書けるくらいの入門セット」大体そういう感じ *1。
で、+な要素である、DITA機能リミテッド版の1つにフィルタリングがある。
通常のDITAでは、<p product="<任意>" ></p>
のように書くところ、
XDITA(XML版LwDITA)では次のように書く。
<p props="<任意>"></p>
MDITA(Markdown版LwDITA)とHDITA(HTML5版LwDITA)では次のように書く。
~~~html
フィルタリングされる文章......
~~~
フィルタリング処理はDITAと同じくDITAVAL(XML)ファイルに書いていくのだが、通常DITAではここは
<val> <prop att=product" val="<任意>" action="exclude" /> </val>
のように書く。で、LwDITAでは次のようになるワケだが。
<val> <prop att="props" val="<任意>" action="exclude" /> <!-- XDITA --> <prop att="data-props" val="<任意>" action="exclude" /> <!-- MDITA, HDITA --> </val>
Creating Intelligent Content with Lightweight DITAで出てくるまで、フィルタリング機能をLwDITAで使うことは考えていなかった。 (Fullweight )DITAと併用できるという特性を考えればこういう書き方になるのは「それはそう」という感じだが、 「Lightweight DITA SC | OASIS」ではtopicとmap以外の書き方についてはほどんどなく、 「DITAのこれは制限されたこれが使えるよ」のような書き方なので、LwDITAからのDITA初学者が学ぶには大分厳しい。 lntroductionとは書いてあるが、DITAを知っている人間に向けたLwDITA Introductionのように感じた。LwDITAのコンセプトが 「DITA沼の浅いところを作ってそこからひきずりこみたいわね」であることを考えると*2どうなんだそれは。 DITA機能で特徴的なconref, keyref, フィルタリングといったものを使わない場合、Markdownのドキュメントツールとして GitBookやPandocより優位な点をLwDITAに見出すのは苦労すると思う。
2018年にLwDITAの仕様が1.0になったのだが、まとまった資料はCreating Intelligent Content with Lightweight DITAと、 DITA on Diet くらいに感じてしまう。DITAっぽい機能については Creating Intelligent Content with Lightweight DITA の方を読む必要があるが、 個人が学習をはじめる本としては5000円弱はちょっと躊躇らうのではなかろうか。
まあ、コミュニティ内部では色々回っているのかもしれないが。
DITAオーサリング対応ソフトやDITA対応のCCMSなどではLwDITA対応もされているようだが、 LwDITAから学ぼうとする人間がいきなりOxygenを買うかというと微妙なところでは。 XMLを書かない手段としてのMarkdownの話の延長でXMLエディタを買うだろうか。
P.S. DITA on Dietは私訳版を作成している。今進捗半分くらいだけど。CC-BY-SA 4.0なので公開は可能なはず。でもOje Mediaというところ、Twitterアカウントは活動している様子だけれど、WebsiteはGoDaddyのやつが出てくるんだが、どうなっているんだ。
P.S. もうちょっと直接的なサンプル群が公開されているな。
LwDITAの流れについての資料は「インテリジェントコンテンツにおけるAXの役割と考察 (関根, 2016)」もある。