続・明治教科書明朝購入とLuaLaTeX用セットアップ
お前のフォントはそれでいいのか
文章の本文は何で書きますか? 明朝ですかゴシックですか? 本文では明朝という方が多いのではないでしょうか。体感としては、長文ではゴシック体はここぞというときに使わないと見辛い気がします。 さて、明朝体とおおまかに言ってもその特徴は様々ですし、使い所によっても選ぶフォントは変わってきます。技術書では読み易い、誤認識しないものが重要であるとかそういう話です。
大概の文書は文字によってほとんどが構成されます。読者には、文書の内容の他にそれを受けとるインターフェースである文字も印象づけられます。厳めしい書体であれば固そうですし、 やわらかな書体であればポップとかキュートといった印象を持つでしょう。文字は言葉を伝える手段であると同時に、それ自体の持つメタ*1的な要素があります。
「馴染んでいて極力フォントの存在を意識させない」フォントによって内容で勝負というのもアリですが、思いきったフォントで書くのも同様にアリです。
ライトノベルではお馴染み「リュウミン」や、京極先生他大勢に好まれる「ヒラギノ」などで個人でも書籍が出せるのがDTPの良いところではあります。商業と同じクオリティのものを作ることが可能*2なのですから。しかし、商業出版と同じことをしたいのなら自分で組むよりもその手のノウハウのある出版社さんに協力してもらった方が総コストとしては安いかもしれません。
例えば私はオールドタイプの明朝体が好きです。何を以てオールドなのかなどの話題は不得手なので書き直すと、古めっぽい見た目の雰囲気の明朝体が好きです。大正浪漫が好きなので。 なら、小説をオールドな明朝体で組むしかないじゃない。
続・教科書明朝
しかし、普段慣れている明朝の形ではないので、当然読み辛い。旧字体で構成された文書を現代字と同じスピードで読み進められる人は、そうでない人より少ないのではと思います。 Oradano明朝の雰囲気は好きなのですが、本文でいきなり使うには正直ハードルが作者、読者双方に高すぎると感じていました。
そんな或る日、適当にインターネットを漂っていると出会いがありました。
話は少し逸れますが、教科書体というものがあります。印象としてはゴシックと明朝の間という感じでしょうか。高校くらいまでの教科書を思い出してもらえれば、多分その感じです。 教科書はその内容のせいで「読み辛い」と感じていた方もいるかもしれませんが、フォントとしては相当に読み易いつくりです。Win10の最近のバージョンには「UD教科書体」がバンドルされていますが、 あれもとても良いと思います。
(続・)明治教科書明朝は当然明朝体ですが、教科書に使われていたものを元にしていますから、オールドスタイル明朝としてはかなり読み易いと感じました。意識を失って、気がついたら買っていました。 旧字体も当然ありますが、雰囲気を合わせた現代字も普通に使えるので、「古いっぽい雰囲気の書体で組みたい」という私のニーズに見事合致したのですね。
JustsystemsのECサイト「JustmyShop」にて特別価格7000円弱で売っていたので、在庫がなくなる前の購入をオススメします。「明治教科書明朝」の方は複数の販路があるようですが、「続・明治教科書明朝」は ほぼJustmyShopだけになってるのはどうしてでしょうね。
Ubuntu18.04へのインストール
WindowsとMacでの方法しか載っていませんが、インストーラ形式ではなくフォントがポンとCD-ROMの中に入っているだけなので考えることはあまりないです。
nautilusなどでCD-ROMを開いて中のフォントをコピーしてフォントを置く場所に置いて((私は/usr/share/fonts/opentype/
にfgpzokumeiji
ディレクトリを作り、その中に置きました。))
$ sudo fc-cache -fv $ sudo luaotfload-tool --update
をかければ終了です。 後は.texファイル中で
(略) \usepackage{luatexja-fontspec} \setmainjfont{FGPZokuMeijiKyoukasyoM}
のようにしてビルドすれば良し。pLaTeXの場合は一緒に収録されてえいるttf版を使った方が確実かもしれません。
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技術書典5 に「い08」にサークル「Virtual Ones」として参加します。間に合えばこれで組んだ小説を持っていきたいなあ。